90年代を懐古するブログ

90年代オタク文化を中心に懐古。80、00年代も場合によって。

90年代の「死」の匂い:GON!、人体展、エヴァ、ねこぢる、自殺マニュアル

1992年に中学に入ったりすると、それまで地域で守られた小学校生活と違って、生々しく社会と交流していくわけじゃないですか。

 

手に入る情報もグッとリアルなものになって、やれ友達がゲーセンチーマーに金取られただの、やれ雑誌に死体の写真があるだの、セックスだバイオレンスだってなっていくわけじゃないですか。

 

そんな折に湾岸戦争だとかサリン事件だとか、はたまた完全自殺マニュアルだの、人体の不思議展だとかいって人体の輪切りが展示されたりするじゃないですか。

 

当時サブカル的な扱い方ってのが元気だったせいもあって、ちょっとアングラな情報に手を出そうと思えばいくらでも入る雰囲気があったじゃないですか。

そのきっかけになるものがそこらじゅうに転がっていたというか。

 

前回の記事で取り上げたブルセラ雑誌も実際にそういう需要と共有が実存してたわけで、雑誌の後ろの方にそういう実録ビデオが通販広告されていたり、渋谷で目の前で女の子が下着を脱いで売ってくれる店の案内とかも出てた記憶が。

 

悪趣味なものをネタ的に入手して友達にまわすやつとかいて、危ない1号だのウンゲロミミズだの目を背けたくなるようなものがあったりして、好奇心もあるけどぎりぎり「なんか怖い」って所で踏みとどまったりするじゃないですか手に取るのを。

 

この辺り、散々色んな所で取り上げられてると思うので詳細省きますが、その当時大人だった作り手と、受け手だったうちの青少年だったグループに属してた私としては「随分風紀が乱れてるな」って感じでした。

 

というのも、そういうもの達、全体に共通するのが「死」っていう要素だったと思うんですよ。神戸の首切り事件エヴァねこぢるも、そういうサブカル的な楽しみができる友人たちはキャッキャしてましたけど、でもそれってサブカル的な見方を一枚はいでみれば普通に「死」そのものなわけだし、血の匂いがして畏怖の念的に一歩引いて見てました。

 

ただし、「GON!」っていうミリオン出版が出してた薄い雑誌は買ってたんですよね。その後実話ナックルズになった母体だったわけですが。

きっかけは何かしらの日雇いバイトの休憩時間にそれが置いてあり、なんだろうと見てたら面白く、持っていっていいよというので帰ってじっくり読んだら、いわゆる裏社会的な嘘かホントか分からないものをサブカル的にマイルドに分かりやすく描写していたのですよね。

 

それで本屋で見たら買うってやってたんですが、段々ネタ切れ感が出てきたというか。結構濃いテーマを最初の内に立て続けに取り上げてたのでしょうがないかもしれないですが、でも廃墟とか絶版ジュースを解説したりだとか、バナナの皮の筋で何とかトリップしようとしたりとか、見世物小屋合法ハーブインド死体心霊スポットetc、かなり無駄に影響受けました。

 

今思うと、こういう深堀した雑誌のうち、オタク・秋葉寄りのものもあったはずなのでそっちも手に取ってれば...と後悔しきりですが、とりあえず「死」の方のサブカルは実体験できたのでそれはそれで貴重な体験として思い出されます。