90年代を懐古するブログ

90年代オタク文化を中心に懐古。80、00年代も場合によって。

エロ本の自販機で買う計画を遂行してぐったりする

1992年に中学に入る者にとってエロ本の自販機って唯一手に入れる事を許された手法だったわけじゃないですか。実際本屋などでエロ本を買ってはいけない(というルールが実際あったかはよく分かりませんが)わけだし、あとは誰かから借りたりするか、あとは落ちてるのを拾うっていう手段しかないわけですし(或いは、エロい父親や兄がいる場合はそっから入手)。

 

とにかく、誰かから買う/借りる時は「自分はこのエロいものを欲している人間です」と誰かに認識されなければならない訳ですが、自販機であればそうじゃないので、特にまだ子どもな時期にはとても気安く入手できる最適解だったわけですよね。

 

で、中学に入るとエロはオープンな話題になるけど小学校の時は心を開いた者同士でしか扱えない話題だったじゃないですか。

エロい事=タブー、みたいな。

まだ未熟な子がいたりするので、女性器の名称をよく分からず大声で「バカ」とかの意味とはき違えて無垢に叫んだりする子がいたりとか。

 

なので、慎重にまるで暗号を扱うかのように「こいつはエロに理解があるか」を日常会話の中で測りながら同志を探すじゃないですか。

実際私がそうやって探し当てた時の流れというのは以下でした。

1.ジャンプ読んでるー?

2.どれ好き?

3.ていうかてんで性悪キューピッドとかあるじゃん(或いは電影少女(あえてでんえいしょうじょと読む))

 

この時点でエロオープンの者であれば何かしらの反応がある。

特に当時はまりあが金持ちに捕まって身動きできない状態で服を引き裂かれてあわや裸に、っていう所で、次回が本当に待ち遠しいっていうか本当に子どもが読んでる雑誌でこんなエッチな話描いていいのか!?と頭がどうにかなりそうな時期で。

 

で、誰かとこれを共有したい、ていうかみんなジャンプ読んでるはずなのに一向に話題にならないのはどう考えてもおかしいぞ!?と二重に頭がどうにかなりそうでしたので、やや勇み足がちですが以前からどうもエロの話題をしたがってるF君に上述の流れを試した所、

「いや~次回が待ち遠しくて...」

との言質がとれて、そこからはエロの同志として強力なパートナー関係を築く事になりました。

 

で、既に私には幼少期からエロオープンの仲間がいて、三人でたまに集まってはあいつの兄貴はヤンジャンを持っていてマッドブルとかいう漫画がエロいから見に行こう、とか、こないだ四丁目の駐車場でエロ本落ちてたけど雨に一回濡れて乾いたあとだからめちゃ波打ってるから拾わなかった、でも念のため見に行こうとなって自転車で見に行ったりしたりしていたわけです。

 

で、エロ本自販機の話題になり、購入計画を立てました。

1.夕方に三人で現場付近で落ち合う

2.一人目がお金を入れて、二人目が買うボタンを押し、三人目が取り出す(できるだけ通行人の目につかないよう)

3.これで三人だけが自由にできるエロ本が手に入る

 

エロ本を所有する、というのは当時はとてつもない価値のあるステータスだったのでこれは必ず成し遂げなければならない、と意気込んでいざ当日。

 

私ともう一人はF君がお金を入れる様子をちょっと離れた所から見守って、入れたら次押しに行く準備をしていました。

ですが、F君はしばらく自販機の前に佇んだ後、こっちへ来いという手招きをして何らかのトラブルが発生したのだと我々が駆けつけてみた所、「これ、嫌じゃない・・・?」と。

 

今までじっくりと眺めてみた事はなかったのですが実際間近でラインナップを見てみると明らかにひと昔前の、大人向けというか「昔のエロ本」というようなものばかりで。

 

「これはちょっと。。。」と絶句して、そしてその日はもうそれ以上どうしていいのか分からずテンション激落ちで流れ解散となったのでした。

 

エロ本というモノ自体を過剰に神格化してしまっていたものの、いざリアルなエロ本を前にするとその幻想が打ち砕かれるという体験でした。

 

その後エロ本自販機の事を私たち3人が口にする事は二度とありませんでした...

 

 

思えばこの頃の「やっぱエロはジャンプとかでたまに出るパンチラとかが良いな」ってのが私の場合結構心に根差したような気がします(その他メンバーはリアルの女の子との交流の方がいいなという方向へ舵を切っていたような)。

 

という事で、この勢いでちゃんとアキバ文化のエロに橋渡しできていればもっとオタク文化にどっぷりいけたものの、私はしっかりパンチラのみを追い求めてしまったのでクリーム等お菓子系パンチラ写真の虜になるという道を歩む事になってしまったというわけでございます。