本宮ひろ志を読んでいたからオタクになれなかった説
1992年に中学に入る者ってサラリーマン金太郎を読むじゃないですか。いやおれああいう系好きじゃないんでって人でもその存在自体は知ってるじゃないですか漫★画太郎氏のパロディとか。
ああいうエロを越えた男のロマンみたいのって青少年の心を刺激するじゃないですか。むしろエロも男のロマンの中の数ある要素の一つにすぎん、みたいなデカい世界観。
私もそういう世界観に一応打ち震えた一人だったゆえ、オタク的な作品にいまいち没頭できなかったのでは、という話です。
一番最初はファミコンのファミコンジャンプで男一匹ガキ大将の万吉親分を知るじゃないですか。自分が生まれる前のよく分からん劇画?のやつ。男塾の元ネタ、くらいの認識で。マカロニほうれん荘とか「何かジャンプコミックスのカバーにある他の漫画リストで見た事あるなー」みたいなそういうのと同じ系で。でも何かやたらかっこいいなみたいな。
その次に多くの人はサラリーマン金太郎に高校のくらい時に出会うと思うのですが、あるいはファミコンの天地を喰らう2でしょうか。あるいはゲーセンの天地を喰らう2。両方とも名作でしたよね。ベースとして横山光輝三国志が広く読まれていたのでスッと入れましたよね。
で、私の場合、小学生の時に室内温泉施設みたいなところの休憩室に置いてあった愛蔵版の天地を喰らうをたまたま読んでしまったのですよね。まだグロい漫画はジョジョ2部とかゴッドサイダーとかしかないのでこれもそういう類なのかなーくらいにパラパラめくっていたら劉備と孔明が天界で竜の化身の巨人美女と結ばれるってのがやたらエロくてですね。
やたらグラマー長身で本宮顔というか眉毛の太い外人美形顔というか、ここでその性癖植え付けられるわけじゃないですか。何とかしてこの本を今度自分で手に入れたいと思って作者名を強く記憶しようと試みた次第です。
ほんで高校入ってヤンジャンとか回し読みしてサラリーマン金太郎に出会う。その頃になると漫画喫茶とか行ったり古本屋とかめぐるじゃないですか漫画読んでると。
そしていかに本宮ひろ志が長い間漫画業界で多作だったかに気づくですよね。
その頃天地を喰らうにも再会して小学生の時に読んだやつだ!とテンション上がるわけですよね。董卓が女を侍らせて全身リップさせてる見開きページとかやばい。
私の場合そこからこの作者面白いなってんで読んでいくと男樹シリーズで男のロマンを理解するのですよね。
やたらキャラと生き様がかっこよくて破天荒で、敵対するヤクザ事務所にいるボスキャラはメシ食いながら美女をバックで犯しつつ電話に出たりしてたり、ヘロインだかをイチモツに塗って敵対組織のボスの妻(デブババア)を犯して手籠めにして乗っ取ったり(しかもそのキャラが敵に襲われた時は泣き叫ぶデブババアに口づけをして黙らせてから死の決戦に臨むとか)。
その他シリアスシーン含め他の漫画じゃ見れない予想を超えた離れ技の連打って感じでめちゃくちゃ面白いのですよね。赤龍王における故事「馬鹿」の恫喝エピソードとか、「煮殺せィ」とか最高だし。
本宮さんの自伝的な春爛漫って漫画もやたらかっこいいし。
そういうめちゃくちゃに暴れまくってズタボロになる、みたいな良さを知ってしまったので萌えとかの概念についていけなかったというのが私のケースだったという事で...
まあ本宮作品に限らず90年のヤンジャンヤンマガとか良作多かったじゃないですか。それ以外でもサブカルも勢いあったし文化的に百花繚乱の時代だったわけでその中で秋葉的な文脈に入り込むのはやはりセンスが求められたのだと思いたい所です。